08年11月12日(水)のトップニュース
百度に独禁法違反の疑い、市場を独占[IT](NNA.ASIA)

法制時報によると、中国の検索エンジン大手・百度が市場の独占的な地位を利用して、不当に他社のサイト閲覧を妨害しているとして、製薬関連サイトの運営者が、中国工商行政管理総局に独占禁止法違反の疑いで調査を求める訴えを起こした。今年8月1日に中国で独占禁止法が施行されて以来、インターネット関連では、初の調査依頼となる。

訴えを起こしたのは、百度と、検索結果を上位に表示する契約をしていた河北省の製薬会社経営者で、サイトの全民医薬網を運営する王冠ユウ(王に玉)氏。王氏は百度の代理店を通して、今年の3月から百度のアクセス数アップ支援サービスを利用。全民医薬網の閲覧数は1日8,000回を超えたが、9月に百度との契約が終了し、同社に登録していたドメイン名の変更後は訪問者が激減、後に意図的に百度の検索対象から除外されていることを知った。このようなケースはほかにも多くあるという。

中国では、市場の半分以上占めると独占禁止法の疑いがあるが、百度の今年第2四半期の検索エンジン市場の占有率は64.6%に上るという。

木下コメント

インターネット業界において“独占”ということは、非常にセンシティブな問題だ。というのも、実際にはインターネット業界は、独占が起こりやすいものだからだ。従来型のビジネスをモデルにした独禁法を当てはめるのは理に適っていないように思う。

韓国でも同様の問題が起こっている。ポータルサイト“ネイバー”を運営管理するNHNが、圧倒的なシェアにより阻害されていると競合から訴えられている。結果、株価も軟調だ。

※Baidu.com, Inc. (ADR) (Public, NASDAQ:BIDU)

※NHN Corp (韓国店頭株式市場(KOSDAQ)

一方で、マザーズ上場のインターネット通販会社、ネットプライスドットコムは11日、同社の連結子会社であるネットプライスインキュべーション(以下、NPI)を通じ、上海にEコマース(電子商取引)事業の企画・開発・運営を行う現地法人を設立すると発表した。

中国向けの輸出支援分野でアリババと業務提携することも決まっており、新たなビジネスチャンスを取りにいこうとしている。

ネット業界は、トップ企業がいつまでも君臨しているとは限らない。かつてグーグルが、ヤフーを短期間で追い抜くとはほとんどの関係者が想像していなかったに違いない。ネット業界の隆盛には、注意を持って眺める必要がある。

その他のニュース
木下氏のコメントをメルマガで読みたい方はこちら

≪特集≫木下氏の中国訪問記

北京五輪目前、でも現地は意外としらけムード?中国訪問記(1)

北京五輪開催前から、「中国はバブルだった」「中国にもう投資魅力はない」といった声が聞かれるのもご存知の通りです。果たして、中国にはもう投資魅力はないのでしょうか?

私は、“机上”ではなく、現地の声に触れることで、その答えを導き出したいと考えています。そこで、7月4日から9日まで、実際に中国を訪問し、その特別リポートを今回と次回の2回にわたりご紹介したいと思います…

詳しくはこちら
本当の株価上昇は北京五輪の“後”に来る?〜中国訪問特別記(2)

今回は、中国の経済成長の中心の担っているといっても過言ではない上海です。上海は1978年の改革開放政策をきっかけに大きく成長し、今では中国最大の経済都市となりました。中国経済、そして中国株を追う上で注目せざるを得ない場所といえるでしょう。

ではさっそく、その上海の様子を、私が撮影した写真とともにお伝えします

詳しくはこちら

さらに詳しく!木下氏の株式投資情報

木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?【ゴールドリポート】

10年近くのファンドマネジャー経験を持ち、国内上場企業を1,000社以上訪問取材してきた木下晃伸が、ファンドマネジャーとしての頭の中と行動を全開示。さらに、構成する銘柄、ポジション調整歴、その理由を全開示いたします。モーニングスター優秀ファンド賞3年連続受賞の投資ノウハウがあなたのものに。ゴールドリポートは、日本株ポートフォリオに特化したリポート。ポジション調整ウハウにご注目ください。

詳しくはこちら
なぜ、この会社の株を買いたいのか?〜年率20%を確実にめざす投資手法を公開〜

ビジネス誌・マネー誌・テレビに登場するアナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)が責任編集のメールマガジン。年率20%を確実にめざすためには、銘柄選択を見誤るわけにはいきません。日々上場企業を訪問取材している木下晃伸が、投資に値する会社を詳細に分析、週1回お届けします。

詳しくはこちら