レバレッジって?
小額の資金で大きな取引が可能
証拠金取引というと、「何となく恐い」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし投資が上手だといわれる人は、リスクを自分でコントロールし、証拠金取引を上手に利用しています。
証拠金取引の特徴として、「資金効率の高さ」が挙げられます。例えば、1ドル=115円の時、1万ドル(115万円相当)のポジションを小額の取引証拠金(例えば25,000円)で持てるとすると、実際に使用している資金に対して何倍もの取引をしていることになります。この何倍の取引をしているかを指すのがレバレッジと呼ばれるものであり、例の場合だとレバレッジ(倍率)は約40倍ということになります。
小額の資金で大きな取引が行なえる証拠金取引では、大きな利益が期待できる反面、予想とは逆に相場が動くと大きな損失が発生するリスクもあります。このため、証拠金取引にリスク管理は不可欠です。
リスク管理をどう行う?
では、どうやってリスク管理をしたらいいか。まずは、ストップロスオーダー(損切り注文)として、損失を一定のレベルに限定するための逆指値を出しておくことです。ストップロスオーダーを利用すれば、初めてでも安心して取引できるのではないでしょうか。
為替相場をパーフェクトに予想するのはプロのディーラーでも不可能です。予想が外れた時は潔く損切りして、損失を小さく抑えるのが勝つためのポイントといえます。
また投資家の資産を守る仕組みとして、自動ロスカット制度を導入しているFX会社も多くあります。自動ロスカット制度では、証拠金(口座にある資金)に対して評価損が一定以上に達した時に、ポジションを自動的に決済する仕組みのことです。これは口座に預けてある資金以上に損をしないように、投資家を保護するためにできた仕組みです。
一般的なロスカット・ルールでは、純資産評価額(口座に預けてある資金から評価損を差し引いた金額)がそのポジションを持つのに最低限必要な証拠金(取引証拠金)の40%以下になると、ポジションが自動的に決済されます。この際、80%や60%など一定率を下回った段階で、アラーム通知メールを送信し、注意を喚起する会社もあります。
また、必要とする証拠金よりも多めに資金を預け入れておくことで、レバレッジ(倍率)を抑えることができます。そうすれば為替リスクの低減が図れ、そしてロスカットの可能性が減少することは覚えておきたいところです。
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解説:武市佳史(たけち・よしふみ)
ファイナンシャルプランナー兼(株)マネーパートナーズのチーフアナリスト。日本証券新聞での連載など多方面で活躍中。
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