あなたの答えは、正解 です!

今週の解答

[資金管理に関する問題]

あなたが株式投資でのリスクを限定したいのであれば、損切りの基準を投下資金の何%程度に設定するのが適当ですか?

正解は・・・
(1)10%以内

5%の損失を出したら、その分元金が減るので、5.3%の利益を出さなければ元金を取り戻すことができません。このことは、損失額が大きくなればなるほど、元金を取り戻すためには大きな利益を出さなければならないことを意味します。 50%やられたなら、株価が2倍にならないと取り返せないのです。
著名なマーケットの魔術師であるアメリカの投資家W・オニールは、その著書『オニールの成長株発掘法』(パンローリング刊)の中で、「赤いドレスの話」として損切りの大切さを語っています。(以下に引用)

ある意味、株式売買は自営のビジネスと同じである。投資はビジネスであり、ビジネスと同様の考え方で行うべきである。小さな婦人服のブティックを経営していると仮定してほしい。黄色、緑色、赤の三色のドレスを仕入れて店頭に並べている。赤いドレスは早々に売り切れ、緑は半分だけ売れて、黄色は全然売れなかったとする。そのときあなたはどうするだろうか?仕入れ担当者に対して、「赤いドレスは完売した。黄色には需要がないようだけれど、黄色のドレスはオシャレだと思うし、黄色は私の好きな色だから、取りあえず黄色をもう少し入荷しましょう」と言うだろうか?もちろんそんなことは言わないだろう!小売業で生き残っている賢明な業者は、この苦境を客観視してこう言うだろう。「完全に仕入れを誤った。黄色いドレスはやめた方がよい。 10%値引きして売ってしまおう。もしその値段でも売れなかったら、20%引きにしよう。さっさと資金を引き揚げて、売れ筋の赤をもっと仕入れよう」。これが小売業における常識である。投資でもこれと同じことをやるべきだ。そうしない手があろうか?(竹内和己訳)


W・オニールは、「相場の判断を間違えたとき、唯一すべきことはそれを正すこと」と言い、素早い損切りを勧めています。ちなみに、W・オニールは7〜8%やられたなら、損切るとしています。
実際、証券会社では債券や株式の保有残高を在庫と呼び、購入価格を仕入れコストとも呼びます。売れ筋ではない商品を仕入れてしまったとき、すぐに割引すれば5%や10%引きでも買い手がつくかもしれません。しかし、時期を逸してしまったなら、5割引でも売れないことがあるでしょう。相場と小売業とには共通点も多いのです。
相場を単純に考えると、10回買うと、うち5回は値を下げます。ここで損切りさえ忘れなければ、5回の損の総額は限定されます。たとえば、9回の損失をそれぞれ10%以内に抑えていれば、残る1回が2倍になれば取り戻せます。

見事正解だったあなたは・・・

油断は禁物、ほかのカテゴリの問題にも挑戦してさらにセンスを磨く努力を怠らないようにしましょう。

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プロフィール

【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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