あなたの答えは、残念ながら 不正解 です

今週の解答

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日計り(デイトレ)取引が中心で、ちょうど利がのっている中、ひどい二日酔いになってしまいました。その日の取引はどうすべきでしょう?

正解は・・・
(1)短期のポジションはすべて閉じて、
その日は「休むも相場」と決め込む

トレーディングはベストのコンディションで行うべきものです。ひどい二日酔いで自分がベストの状態ではないと思うのなら、その日は休んだ方が賢明です。


私も数限りないひどい二日酔いの経験がありますが、明らかに判断力は落ちていました。何も考えないから儲かったようなこともありますが、そんなことは続きません。また、何事もメリハリですから、中途半端にモニターの前などに座らず、しっかりと休んで、明日の英気を養いましょう。


ところで、宝くじによく当たるという人たちに、テレビのレポーターがその秘訣を尋ねているのを見たことがあります。その人たちが秘訣として異口同音に語ってくれたのは「買い続けること」でした。確かに、どんなに運が強い人でも、買わなければ当たらないわけで、せっかくの宝の持ち腐れだといえます。


同じようなことは相場にも当てはまります。どんなに相場観がよく、技術もあり、運の強い人でも、何もしなければ収益を上げることはできません。やり続けるという継続性が、相場でも秘訣とだと言えば、秘訣です。


では、宝くじを買っている人が、毎週数百万円をつぎ込んで、買い続けることができるでしょうか?あるいは、借金をして買い続けることでも「秘訣」なのでしょうか?そんな訳がないでしょう。実は、買い続けるためにはリスク管理が必要なのです。宝くじの場合ですと、当たらないことを前提とした、いわば捨て金を用意する必要があります。何十回、何百回とはずれ続けても「買い続けられる」資金力と、資金の配分がいるのです。


相場もまったく同じです。相場を張り続けるのに必要なのはリスク管理です。どんなに大きな資金力があっても、一発ですべてを賭けたなら、まさしく一発勝負でどちらかにころびます。


去る9月18日にそのポジションの破綻(2、3週間で運用資産の6割を超える7,000億円を失った)が明らかになったヘッジファンドのアマランスは、前月に当局から注意を受けるほどにポジションを張り過ぎていました。市場に比べて、あまりに大きな量を買ってしまうと、相場観が当たっていても、思い通りに利食えなくなります。自分の売りで相場を崩してしまうからです。つまり、運よりも、相場観よりも、リスク管理が大切なのです。


ベストでない状態、例えば二日酔いの状態でトレーディングをしない、というのもリスク管理です。


かっての大手邦銀の為替ディーラーのなかには、デスクの引き出しにウィスキーの小瓶を忍ばせている人がいたなど、プロの中にも大酒飲みはたくさんいます。私なども、ほとんど毎晩飲み歩き、当時のポケットロイターでレートをチェックしていた時期があります。一介のディーラーはそんなものです。泥酔状態でもディールができる。そんなことを粋がってもいました。


その頃、私より年下ながら、外資証券の東京支店のディーリング部門を任されていたかっての同僚は、平日は一切アルコールを口にしないと言っていました。ディーリングに影響するからです。いまは私も平日は晩酌程度、飲み会の約束はすべて金曜日か土曜日にしています。この年になってようやく悟ったことは、アルコールは収益に悪影響を与えるということです。


相場を続けるためにはリスク管理が必要です。リスク管理は自己管理に通じます。飲酒運転で事故を起している人たちも、おそらく全員が「自分は大丈夫」だと思っています。ところが、判断力の低下は誰にも例外なく起きるのです。

残念ながら不正解だったあなたは・・・

実際に運用をする前に、ほかの「その他の問題」で、さらに勉強しましょう。

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【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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