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今週の解答

[ニュースに関する問題]

米中間選挙で与党共和党の大敗が決定的になりました。アメリカと日本の株価はどう動くと予想されますか?

正解は・・・
(3)両国とも下がる

長期資金の運用の場でもある株式市場は不透明感を嫌います。日本の総理大臣は衆議院の最大与党の党首が就任しますが、アメリカの大統領は国会議員とは別個に国民が選挙で選びます。現在のブッシュ政権は議会与党と同じ共和党政権ですから、大統領の意向は比較的すんなり議会で法案化され、同時に議会があげた法案はすんなり大統領が承認します。

もし、今回の中間選挙で共和党が大敗を喫し、議会与党が民主党に変わると、大統領の意向は議会で反映されず、また議会があげた法案を大統領が差し戻す(拒否権の発動)ことで、政治のこう着感を強めることにつながります。このところ高値を抜いてきた米株式市場にはマイナスでしょう。また、日本株にとっても、アメリカ株の下落は連れ安要因であるだけでなく、保護主義的な民主党が力をつけることは、日本経済にとっても不透明感が高まるといえます。

今回のアメリカの中間選挙は2006年11月7日に行われ、上院100議席中の3分の1(今回は36議席)、下院435議席すべてが改選されます。与党共和党の大敗北とは、上院6議席以上、下院15議席以上を失い、両院で民主党が議席数を逆転することを意味します。最近の調査では、不利だといわれてきた共和党が持ち直し、上院での逆転は阻止できる見通しとなってきたようです。下院はまだ予断を許しません。

共和党の弱点は、中東政策で失敗続きのブッシュ大統領の支持率の低さですが、テロなどの危機管理は現職大統領の追い風となりますので、国連制裁決議後の北朝鮮の動向を注視したいところです。

議会が共和党から民主党に変わると、以下の点が変わるといわれてます。
・軍需産業に厳しくなる(企業収益の悪化)
・石油会社への補助金が見直される(企業収益の悪化)
・医療や保険料の引き下げ、製薬会社への補助金見直し(企業収益の悪化)
・環境保護を優先(企業収益の悪化)
・情報分野などの規制緩和が頓挫(経済成長の鈍化)
・M&Aに反トラスト法を適用(株式市場に逆風)
・配当課税15%上限の撤廃、高額所得層への増税(株式市場に逆風)

これらは、いずれも株式市場のマイナス要因です。唯一のプラス要因は住宅金融公社が規制強化を免れるだろうということぐらいです。とはいえ、民主党の議会が上記の法案を決めても、ブッシュ大統領が拒否権を発動すれば、こう着状態となってしまいます。いずれにせよ、賛否はどうであれ株式市場にはプラスの要因であった、共和党の政策が議会を通らなくなります。

以上の要因から、米中間選挙で与党共和党の大敗が決定的となると、日米の株価ともにいったんは売られると思われます。

ところが、独裁的な権力を嫌悪する傾向のあるアメリカでは、大統領と議会との対立を好感するのか、 20世紀初頭以降、共和党大統領と民主党議会の組み合わせ下の株式市場は、共和党同士の組み合わせの場合より若干アウトパフォームしています。したがって、売ってみても下がらなければ、あるいは下げ止まれば、臨機応変に買いに転ずるべきでしょう。

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プロフィール

【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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