あなたの答えは、正解 です!

今週の解答

[ニュースに関する問題]

あなたは、個人投資家から評判がよくない銘柄を空売りしていました。その会社は必要以上に新株を発行したり、経営者が夢見がちな理想論を語るとして知られています。今回その会社が日経平均株価の構成銘柄に採用されることになりました。空売りのポジションはどうすればいいでしょうか?

正解は・・・
(1)日経平均に採用されたので、
ドテンで買いのポジションを取る

企業の生誕から消滅までの一生には、数々の節目があります。企業にとって日経225採用は、株式市場への上場や上部市場への指定替えほどの大きな節目ではないかも知れませんが、株価に大きなインパクトを与えうるイベントです。今日の問題の企業のように、投資家の評判がもうひとつで右肩下がりの展開が続いていた企業が、日経225採用をきっかけに潮目が変わり、そのまま上昇トレンドに移行した例は数多くあります。したがって、採用後はすみやかに空売りポジションを閉じ、新たに買いポジションを建てる(1)が正解となります。

これは、私が常日頃から述べている「相場の力関係は、ポジションを大きく、長く取れるものが強い」ということからも説明できます。

海外の年金基金やミューチュアルファンド(米国の投資信託)のなかには、保守的な運用を専らとするところが数多くあります。彼らが日本株での運用を行う場合、東証1部上場銘柄のみであるとか、もっと厳しく日経225(あるいは300)採用銘柄のみという縛りを設けて、ポートフォリオを組むようなことを行います。1部上場や日経225構成銘柄は一流銘柄としてのステータスと見なされ、出資者への説明が容易だからです。そのようなファンドにおいて、日経225に採用されるということは、購入検討銘柄にリストアップされることにつながります。もっとも、日経225に採用されるような銘柄は、それなりの勢いや実績があるのでしょうから、彼らはすでに買っている可能性もあります。

ここで、日経225銘柄をそのまま組み入れたパッシブ(運用)ファンドがあれば、構成銘柄の変更にあたっては、単に日経225から除外される銘柄を売り、採用銘柄を買うことになります。彼らは採用されるまでは買っていませんので、その銘柄の新たな買い手として登場します。そして、基本的には採用銘柄から除外されるまでは保有し続けるのです。つまり、日経225の採用銘柄になるということは、長期保有の買い手を自動的に獲得することも意味しています。

一方の売り手は、買い戻すことが前提の空売りですから、勝負は見えています。

構成銘柄からの除外には、企業の合併や買収による銘柄の消滅、破綻による消滅、上場廃止などが一般的です。そうでない場合には、流動性が下がるなど、一流銘柄からの脱落を意味することが多いので、売り材料とされます。また、先のパッシブファンドなどは、除外銘柄を売ってきますので、あなたが空売り好きなら、採用銘柄から、除外銘柄への空売りの入れ替えを考えてもいいでしょう。

日経225の新規採用銘柄を買って、値上がりしないことのリスクは、前もって買われ過ぎている場合だけと言ってもいいでしょう。今日の問題のケースは、空売りの多い銘柄ですから、大幅上昇が期待できます。ドテン買いで勝負すべきところです。

見事正解だったあなたは・・・

油断は禁物、ほかのカテゴリの問題にも挑戦してさらにセンスを磨く努力を怠らないようにしましょう。

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【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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