あなたの答えは、残念ながら 不正解 です

今週の解答

[ニュースに関する問題]

大証で金のETFが買えるようになり、あなたは純金に興味を持ちました。金の価格は毎年上昇しているようです。余裕資金を運用しているあなたが、この機会に純金をポートフォリオに加える場合、どのような形で追加をすればいいでしょうか?

正解は・・・
(2)いざという時にすぐ換金できる金のETFを買う

長く保有する資産のポートフォリオに組み入れるには、決済期限があり、証拠金の値洗いなどがある先物は不向きです。また、いかに余裕資金とはいえ、常に急な資金ニーズに対する備えはしておきたいものです。その意味で、比較的少額な資金でコンスタントに買い続け、金地金や金貨、ジュエリーなどで受け取る純金積立ては、換金という面に難があります。ポートフォリオのリスク分散として純金を考えるなら、(2)いざという時にすぐ換金できる金のETFを買うのが、最も適切でしょう。


純金積み立てと金連動ETFを簡単に説明します。


純金積み立てでは、毎月一定の金額を指定の銀行口座から引き落とし、ドル・コスト平均法で継続的に金を購入していきます。ドル・コスト平均法は購入に当てる資金を一定に保ちますので、金価格が安いときには多くの純金を、高いときには少ない純金を買うことになります。価格が波動を伴って動き、最終的に上がれば、平均購入価格を引き下げることができますので、長期保有に適しています。また、月3,000円くらいから始められるようなので、金地金や金貨を購入することに比べて、少額の資金でスタートできます。


注意することとしては、年会費や購入手数料がコストとして発生することです。純金積み立ては、文字通り積み立てですから、預貯金代わりに純金を増やすのには適していますが、ポートフォリオとして随時に増減させるには不向きです。


ETF(Exchange Traded Fund)とは、決められた指標に投資成果が限りなく連動するように設定され、証券取引所に上場されるファンド(投資信託)です。基準価格が1日に1回提示される従来の投資信託とは異なり、証券市場において通常の株式と同様に売買を行うことが出来ます。つまり、金連動ETF(Gold-Price-Linked Exchange Traded Fund)とは、金地金を指標に運用し、金価格に限りなく連動するように設定された投資信託で、株式と同じように取引所で売買できるものです。


大阪証券取引所に上場された、金価格連動型上場投資信託(金連動ETF)の詳細を、以下のウェブページから引用します。


投資信託の特色

ファンドは、対象指標(1グラム当りの円表示の金価格)に連動する投資成果を目的として発行された有価証券のみに投資を行ない、対象指標に連動する投資成果を目指す追加型株式投資信託です。対象指標は、ロンドンにおけるロンドン渡しの金価格に円換算為替レートを乗じて得た額を1グラム当りの価格に換算して算出します。


ファンドの受益証券は、平成19年8月10日(予定)以降大阪証券取引所に上場され、投資者は、ファンドを証券取引所において時価により株式と同様に売買することができます。売買単位は10口以上10口単位です。


※ファンドは、金(ゴールド)そのものには投資を行ないません。
配当等収益がない、または少額の場合等、分配額がゼロとなる場合があります。投資リスクは上記に限定されるものではありません。詳しくは投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。(引用終わり)

同ファンドの9月27日の終値は2,735円ですから、2万7,350円単位で売買できることになります。


海外市場で、2001年前半に260ドルほどだった金価格は、2007年9月27日には730ドルを超えています。金は産業物質や貴金属としての伝統的な需要に加えて、米年金など長期投資家によるリスク分散の場としての需要が目立っています。米年金などは先物市場への投資が困難だったのですが、この何年間かにニューヨーク証券取引所に上場された金のETFには積極的に投資しています。また、ETFは個人投資家にとっても買いやすいので、先物主導で金価格が売られたところには、金のETFの買いが出てくるといわれています。


とはいえ、金価格を他の金属や穀物、原油などと同様、ここまで押し上げた主力は投機資金です。投機資金の一部はサブプライム問題で苦しんでいるとはいえ、まだまだ資金量は豊富で、運用難も続いています。金価格がまだ上がる下地があるのです。しかし急騰はいつか終わり、その後には急落が来ます。その時の損失を防ぐには、ポートフォリオに組み入れた金連動ETFを売らねばなりません。下げ相場を取りに行きたければ、そこで使うのが先物です。

残念ながら不正解だったあなたは・・・

実際に運用をする前に、ほかの「ニュースに関する問題」で、さらに勉強しましょう。

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【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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