あなたの答えは、残念ながら 不正解 です

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最近、会社の同僚が深夜の Globex で日経平均先物の動きを見て翌日の相場の予想を練っていると聞き、興味を持ちました。Globex は夜更かしをしてでも見るべきでしょうか。

正解は・・・
(3)やりだしたら切りがないので、夜更かししてまで見る必要はない

夜中に相場が動くことのリスクを、オーバーナイト・リスクと言います。日本の株式市場は午後3時に大引けされますので、翌日の午前9時に開くまでは、基本的に何もできません。それで、プロの株式ディーラーでも駆け出しの頃など、まだ信用力がないうちはオーバーナイト・ポジションが許されず、デイトレードに徹することになります。24時間取引が可能なプロの為替ディーラーでも駆け出しの頃はオーバーナイト・ポジションが許されず、デイトレードだけを行います。


デイトレードで儲けている人はたくさんいます。彼らは必ずしも海外市場を追っかけているわけではありません。メリハリをつけるためにも、夜はぐっすりと眠りましょう。正解は、(3)の「やりだしたら切りがないので、夜更かししてまで見る必要はない」となります。


グローベックス(Globex)を野村證券の証券用語のページで調べると、「ロイター、CME(Chicago Mercantile Exchange)、CBOT(Chicago Board Options Exchange)の提携による金融先物の24時間取引システムのこと」と出ています。
(参照:http://www.nomura.co.jp/terms/english/g/globex.html

そして、CME のページを見ると、東京時間に対応したシカゴ時間で更新され(レートは10分以上遅れているので注意とある)、NIKKEI MAR08 として、大証の日経225先物3月限(08-03) のレートが出ています。これで見ると、24時間取引とはいいながら、大阪やシンガポールが開いている東京時間の取引はできないようです。もしできるならば、アジア市場とグローベックスの裁定取引で大儲けできるほどの価格差があります。


事実上、グローベックスの活用法は、東京市場が引けてから翌日に開くまでの、シカゴ市場が開いている時間帯の価格チェックということになりそうです。シカゴ市場はロンドンやニューヨークの事情を反映していますので、翌日の東京市場の寄り付きは、シカゴの引けを参考にすることになります。


では、グローベックスで24時間取引できれば、あなたのトレードに有効活用できるのでしょうか?


為替市場は多くの国の通貨の交換市場ですから、地球のどこかで市場が開いていて、24時間取引が可能です。しかし、誰も毎日24時間眠らずにトレードすることはできませんので、効率的なトレードを行いたい人たちは、主にロンドン時間に合わせてトレードします。ロンドン市場では東京の午後5時(現地午前8時)くらいからディーラーが集まり、ニューヨークの午前中(日本時間午前2時、現地午後5時頃)いっぱい活発に取引を行います。つまり、ロンドンの午前中はアジア市場の居残り組が、午後は北米市場が、そして終日少し先行する形で中東やアフリカ、欧州大陸の市場が重なっています。24時間起きていることができないのならば、もっとも流動性が高く値動きもいい、ロンドン時間に合わせて起きているのが効率的なのです。


日本株市場で、もっとも流動性が高く値動きのいい時間帯は、東京市場が開いている時間です。日本株のトレードでは、この時間に目が冴えて、エネルギーが充満しているのがベストです。グローベックスで夜更かしするよりも、ぐっすり眠ることの方が有効です。ちなみに、私は当日のデータが揃う午後4時頃には帰宅し、ジムで汗を流し、夕食後の午後9時前頃から翌日の準備を行います。そして、朝7時頃から海外の動向をチェックし、9時のオープンに備えます。飲み会は金曜、土曜のみにしています。

残念ながら不正解だったあなたは・・・

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プロフィール

【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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