矢口新の『トレードセンス養成講座』
相場の世界で勝ち組になるためには、価格の変動要因やリスク・リターンなどの本質を掴まなければなりません。
わたし矢口新が監修するこの講座で、あなたも「相場力UP」を目指しましょう。
あなたの答えは、正解 です!

今週の解答

[個別銘柄に関する問題]

長期保有を志すあなたが数カ月前に買った銘柄は、順調に値上がりしてきましたが、このところ上昇幅も落ち着いてきたようです。含み益は30%程あり、どこかのタイミングで利食いしようと思っています。利食いするとしたら、最も適切なタイミングは次のどれでしょう。

正解は・・・
(2)値下がりして、25日移動平均線を割り込んだ時

カタパルトをご存じですか?通常、航空機が離陸するには長い滑走路が必要ですが、空母には長さの制限があります。そこで、空母から戦闘機が発進するときは、空母の速力を戦闘機の浮力に加えるのみならず、パチンコで小石を飛ばすときのような道具で弾き出します。そのパチンコの役割をする道具をカタパルトと呼びます。


相場のテクニカル指標の1つであるポイント・アンド・フィギア・チャートでは、強気のカタパルト、弱気のカタパルトと呼ばれる形があります。保ち合いから以前の高値を抜いたときを強気のカタパルトで買いシグナル、一方、以前の安値を抜いたときを弱気のカタパルトで売りシグナルとしています。保ち合いをバネとして、勢いよく抜けた方に飛び出すのです。高値更新、安値更新はそのきっかけ(カタパルト)です。


長期保有を前提とした今回の問題では、25日移動平均線を割り込むことをカタパルトに、利食い売りのタイミングとする(2)が正解です。


順調に値上がりしている銘柄も、いつか反転します。あるいは、しばらくの間株価が横這う「保ち合い(もちあい)」状態をつくり、そこからカタパルトで弾き出されるように更に上伸、または下落します。


この保ち合い状態は、株価の上ではほとんど何の変化もありませんが、出来高に応じて、その銘柄の所有者が変化しています。長期保有していた人たちの売りを、値上がり期待の買い手が受け止めている状態になると、株価はいずれ反落します。反対に、投機目的で買っていた人たちの売りを、長期保有目的の買い手が受けていると、株価はいずれ上伸します。誰がどのような目的で買っているのかが分かれば、将来の株価は概ね予測することができるのです。分らない場合には、株価が跳ねた方向につくことで、長期保有がつくるトレンドに乗ることができます。


(1)の、「保ち合いになり、値がほとんど動かなくなった時」では、保ち合い後の上伸期待を捨てることになりますので、長期保有を志す場合は正解にはできません。とはいえ、保ち合いには、上伸するか反落するか分からない、そして保ち合い期間が長引けば、その期間資金を寝かせてしまうリスクもあります。投機的なトレーディングであれば、そのような場合は30%の利益をいったん確保しておき、保ち合いが終わってから放たれた方につく、というのがよいでしょう。


(3)の、「もう一段の大きな値上がりを見せ、年初来高値を更新した時」に利食うのは、先のカタパルトの逆を行く行為で、テクニカル指標での買いサインを「騙し」だとみなすことです。実際、高値更新、安値更新で達成感が出て、そのまま反転することも多いのです。しかし、今回の問題では、高値の更新がなければ利食えずに、そのまま損失で終わる可能性がありますので、(3)を正解とすることはできません。

見事正解だったあなたは・・・

油断は禁物、ほかのカテゴリの問題にも挑戦してさらにセンスを磨く努力を怠らないようにしましょう。

 

書籍

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プロフィール

実践・生き残りのディーリング

【監修】矢口新(やぐち・あらた)

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。 著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。 新著『実践・生き残りのディーリング』は4月12日発売。

 

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