あなたの答えは、正解 です!

今週の解答

[ニュースに関する問題]

ある製薬会社がHIVの特効薬の開発に成功したと報道されました。それまで低迷していたこの製薬会社の株価は、このニュースを受け急騰しました。しかし、まだ何とかあなたの手に届く株価です。このような場合、どうするのがよいでしょうか。

正解は・・・
(2)薬が一般に流通した際の業績へのインパクトを期待し、高値圏であっても手が届く今のうちに買っておく

HIVは、不治の病といわれるエイズを発症させるウィルスです。エイズの特効薬が発売されたなら、その製薬会社の株価が高騰することは疑いがありません。正解は、(2)薬が一般に流通した際の業績へのインパクトを期待し、高値圏であっても手が届く今のうちに買っておく、となります。このニュースは、高値圏でも手を出すべきインパクトのあるニュースなのです。


エイズについて辞書(ウィキペディア)で調べると、


後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん,Acquired Immune Deficiency Syndrome:AIDS )は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞に感染し、免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こす免疫不全症の事である。一般に英語の略称エイズ(AIDS)として知られている。

1981年にアメリカのロサンゼルスに住む同性愛男性に初めて発見され症例報告された。ただし、これはエイズと正式に認定できる初めての例で、疑わしき症例は1950年代から報告されており、「痩せ病」(slimming disease)という疾患群が中部アフリカ各地で報告されていた。1981年の症例報告後、わずか10年程度で感染者は世界中に100万人にまで広がっていった。

当初、アメリカでエイズが広がり始めた頃、原因不明の死の病に対する恐怖感に加えて感染者に同性愛者や麻薬の常習者が多かった事から感染者に対して社会的な偏見が持たれた事があった。現在は、病原体としてHIVが同定され、異性間性行為による感染や出産時の母子感染も起こり得る事が広く知られるようになり、エイズ患者に対する差別的な偏見は少なくなった。しかし、未だこの病気に対する知識の不足から来る差別・偏見の存在が問題視されている。


とあります。

また、日本では薬害エイズが問題となりました。ウィキペディアによると、薬害エイズの原因はHIVに感染したと推定される外国の供血者からの血液を原料に製造された血液凝固因子製剤を、加熱処理によってウイルスの不活化を行なわないまま治療に使用したこと、とあります。また、世界でも日本だけは加熱製剤が開発された後も2年4ヶ月以上もの間放置され中々承認されず、非加熱製剤を使い続けたためにエイズの被害が拡大したというのです。


2008年3月26日、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の独立委員会が発表したところによれば、アジア地域のHIV感染者は現在500万人、エイズは15歳から44歳の死亡原因の1位で、年間44万人が死亡しているとのことです。HIVに感染しても、エイズ発症や病状の進行を遅らせる薬はあるものの、完治させる薬がないことから、患者、死亡者ともに増え続けています。


アジア地域だけでもこれだけの感染者がいるのです。必要としている人の数を考えても、意味のあるビックなニュースだということが理解できるでしょう。


製薬会社に限らず、一般に新商品の開発はメーカーの業績に貢献しますので、株価にもプラスです。あなたがそういったニュースに遭遇したなら、素直に買っていいのです。買って下がる懸念があるとすれば、すでに買われ過ぎている場合、つまり噂の段階で買われていて、株価が好業績をすでに織り込んでいる場合だけです。


エイズの特効薬の開発の成功のような、製薬会社の業績に大幅に貢献するビッグニュースならば、株価の高騰は間違いないといえますので、多少買われていてもまだまだ上げ余地を残しています。この問題の場合には低迷後からの急騰ですから、そのニュースが株価に織り込まれているとは言えないでしょう。今からでも遅くはないのです。


テクニカル指標などで目先の買われ過ぎが出ていたとしても、ニュースの重要度を考えれば、(1)のような空売りは危険過ぎます。また、これだけのニュースに接していながら、(3)のように様子見ばかりしていると、せっかくのチャンスをみすみす逃してしまいます。トレーディングのいいところは、いつでもやり直しがきくところです。間違えば損切りすればいいのですから、取るリスクより大きなリターンが見込める時には、自分の判断を信じて積極的に行きましょう。

見事正解だったあなたは・・・

油断は禁物、ほかのカテゴリの問題にも挑戦してさらにセンスを磨く努力を怠らないようにしましょう。

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プロフィール

【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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