あなたの答えは、正解 です!

今週の解答

[ニュースに関する問題]

ある企業の不祥事が発覚し、株価が大きく値下がりしました。あなたが保有している銘柄も同様に大きく値下がりし、想定していた損切りラインを下回りました。あなたの保有銘柄自体には、これといった悪材料は見当たらず、不祥事が発覚した企業と同じ業種・業態だったことによる連想売りのようです。このような場合、どうするのがよいでしょうか?

正解は・・・
(3)値動きに従うべきなので、値下がりの理由を問わず損切る

どんな理由にせよ、株価が上がる時には買い手がいます。同様に、株価が下がる時には売り手がいます。もっとも、出来高に応じて、売り手と買い手とは常に同数ですが、売り手の方がしつこいと株価は下がるのです。なぜそんなにしつこいのか、上がるはずだと思っているあなたにはその理由が分かりません。なんでもない「ゆらぎ」を考慮し、想定していた損切りラインを下回った時点で、あなたは相場を見失っています。正解は(3)の「値動きに従うべきなので、値下がりの理由を問わず損切る」になります。


株価が思い通りに動いている時は、あなたに相場が見えている時です。あなたと同じような考えの人が、同じように買って、株価を押し上げています。しかし、ここで忘れてはならないのは、誰かが買うと、その買いに応じた売り手が必ずいるということです。なぜそんな価格で売るのか、あなたには分かりませんが、気にすることはありません。高く売れたのに、安く売る売り手は間違えているので、好きなようにさせてればいいのです。逆に言えば、買ったのに下げているのは、あなたの方が間違えているのですから、いつまでも自分の考えにこだわっていてはいけません。


あなたがこれは絶対に買えるという情報を得た時、多くの人が知っている情報ならば、すでに買われています。それでも上がらないとすれば、その情報の信頼性が低いか、早く買った人が売りにまわっているのです。もし、少数の人しか知らない情報で、買ったのに値が下がるとすれば、知らない人たちの売りに負けてしまっています。この時、あなたはどうしますか?とっておきの情報を皆に知らせて、買って貰いますか?つまり、希少な情報は、希少であるが故に、株価の形成には役立ちません。その情報が企業収益の急増などといった、形を伴い、つまり多くの人に知られるようになって、初めて株価の上昇につながるのです。ここだけの話は、本当にここだけの話で、株価も上がらないなら、価値がないのです。つまり、株価に反応するのがベストなのです。


(1)の「悪材料がなく連想売りであれば、値上がりが期待されるので買い増す」ように、下げているのに買い増すことを、ナンピン買いと言います。ナンピン買いについては、この講座でもしばしば触れていますので、参照してください。

参照:『投資にナンピン買いを取り入れるべきでしょうか?』


今回の場合は、連想売りですが、どんな場合でも、今回だけは特別なのだと思うものです。ところが、売り手がいるから下げるということを本気で考えると、ナンピンはどこまで行ってもひとりよがりでしかありません。


(2)の「値上がりするかどうかは分からないが、連想売りで値下がっただけで手放すのはもったいないので保有し続け様子を見る」のも同様です。ナンピン買いよりは、リスクが少ないものの、このままでは損がどこまで拡大するか分かりません。


上げトレンドの相場でも、株価は必ずゆらぎを伴って動きます。株価が下げた時、それが単なるゆらぎなのか、下げトレンドの始まりかは、後にならないと分かりません。想定していた損切りラインを割り込むのは、良くない兆候です。どのような場合でも、(3)の「値動きに従うべきなので、値下がりの理由を問わず損切る」のが正解なのです。

見事正解だったあなたは・・・

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【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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