あなたの答えは、正解 です!

今週の解答

[投資心理に関する問題]

あなたは長年、トレードに携わってきて、多くの経験を積みました。その中で、トレードの最中に、「底堅い」や「やけに重い」といった感覚を覚えるようになりました。こうした感覚をどうトレードに生かすのがよいでしょうか?

正解は・・・
(2)長年の経験で身に付いたこうした感覚こそ大切にすべきなので、それに従ってトレードするのがよい

長年、生き残っているプロが、ファンダメンタルズやテクニカルに精通しているとは限りません。むしろ、彼らは「底堅い」や「やけに重い」といった感覚を非常に大事にし、その感覚に基づいてトレードしています。相場で一番大切なのは、値動きだからです。正解は(2)の「長年の経験で身に付いたこうした感覚こそ大切にすべきなので、それに従ってトレードするのがよい」となります。


私は、この「値動きが一番大切だ」ということを、プライスアクション理論と名付けています。以下にその概略をまとめます。


・キャピタルゲインは価格の変動によってのみ得られる。
・あらゆる投資尺度、材料は、理論価格収斂型であっても、予測型であっても、価格が反応して初めて、成否が判明する。
・投資尺度が正しい場合でも、基礎となる条件が変われば、結果がともなわない場合がある。
・投資尺度が正しく、基礎となる条件が不変でも、まったく別の要因で失敗することもある。
・すなわち、「価格の動き」そのもの以外のすべてを完璧に押さえていても、価格が思惑に反することのリスクを排除することはできない。
・したがって、最大のリターンを追求しながら、同時にリスクが最小であるという、最も効率的な運用とは、価格の動きのみに反応することである。
・これを、プライスアクション理論と呼ぶ。


順番に説明していきましょう。


・キャピタルゲインは価格の変動によってのみ得られる。
つまり、どんなに買われるべき材料があっても、実際に買い手が出てきても、それに見合う売り物があって、価格が動かなければ、キャピタルゲインもロスもありません。逆に、何も材料がないように見えても、価格が動けば、損益が発生します。


・あらゆる投資尺度、材料は、理論価格収斂型であっても、予測型であっても、価格が反応して初めて、成否が判明する。

成長株投資、割安株投資、上げ下げの材料、また、成長率がこうだから株価もこうあるべきだという理論価格収斂型(実勢価格はいずれ理論価格に一致するという考え方)や、成長率がこうなるだろうという予測型のいずれも、株価が反応して初めて、損益が発生します。


・投資尺度が正しい場合でも、基礎となる条件が変われば、結果がともなわない場合がある。

たとえば、成長率がこうだから株価もこうあるべきだという理論価格収斂型で、ベースとして用いた金利や為替レート、原油価格などが変動すれば、理論価格そのものが崩壊します。つまり、原油価格150ドルを前提に試算したあらゆる投資尺度は、投資尺度そのものに間違いはなくても、もはや何の意味も持っていないのです。


・すなわち、「価格の動き」そのもの以外のすべてを完璧に押さえていても、
価格が思惑に反することのリスクを排除することはできない。

これらのことは、投資理論、基礎条件、投資尺度、上げ下げの材料、売買動向、その他、あらゆるファンダメンタルズやテクニカル分析上のデータを押さえていても、価格が動く方向を知ることはできない、ということです。


・したがって、最大のリターンを追求しながら、同時にリスクが最小であるという、最も効率的な運用とは、価格の動きのみに反応することである。

このことは「価格の動きが損益を決定する」ことを認め、他の諸条件に優先して、価格の動きに反応することが、リスクを最小にするだけでなく、リターンの最大をも狙える、最も効率的な運用だということになります。


・これを、プライスアクション理論と呼ぶ。

見えているものは価格なのだから、見えない物を類推する前に、価格に反応し行動することが、プライスアクション理論なのです。


他の選択肢を照らし合わせて、さらにこのことを考えてみましょう。


(1)「感覚はあくまでも感覚。論理的な根拠がないものを参考にすべきでない」では、論理的な根拠とは、一体どういうものなのでしょう。


たとえば、マクロ経済や企業が提出した数値を分析し、その企業の安定度、成長度などを理論的に割り出しても、その分析結果と株価とを結ぶ理論は、通常これらのものは、このくらいは買われるべきだという経験則などの域をでません。


一見、洗練されているように見えるアービトラージでも、2商品のスプレッドが広い、狭いを判断するのは経験則です。何が割安か、割高かというのは、理論的に割り出せても、それと株価との関係、2商品間の相関関係が一致するとは限りません。そこには需給というもう1つの要因があって、その需給も実需、仮需と2種類あるからです。特に仮需に関しては、どんなに緻密を装った理論も、すべてベースは経験則です。


そして、「底堅い」や「やけに重い」といった感覚も、経験則に他なりません。経験則を排除すれば、投資そのものができなくなるのです。


(3)「長年の経験から培われた感覚は大切だが、参考にする程度にとどめる」も、同様です。すべてが経験則の域を出ないのであれば、参考にする程度にとどめていれば、投資をスタートすることができません。


誰にも未来は見えない。つまり、株価がどちらに動くのかは分からないのですから、重要なのはリスク管理なのです。経験則に従って投資を行い、思惑とは違ったなら速やかに損切りする。突き詰めれば、投資とはその繰り返しに他なりません。


正解は、「(2)長年の経験で身に付いたこうした感覚こそ大切にすべきなので、それに従ってトレードするのがよい」、となります。

見事正解だったあなたは・・・

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【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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