あなたの答えは、残念ながら 不正解 です

今週の解答

[ニュースに関する問題]

投資初心者です。日経平均は年初来安値。記録的な円高。いまは株やFXなどの投資を始めるチャンスでしょうか?また、どのような点に注意しておけばよいでしょうか?

正解は・・・
(3)相場はいつも難しいが、それなりのやり方がある


他人から見て幸せに思える人生が、当人にとっては苦しみの連続だということがあります。あるいは、他から見て簡単に見えることが、実際にやってみると存外に難しいことも多いのです。相場にも、誰にでも儲けられるような相場があるわけではありません。正解は(3)の、「相場はいつも難しいが、それなりのやり方がある」となります。


では、儲け易い相場というものは、ないのでしょうか? 例えば、高度成長期、バブル期、ITバブル期、IPOバブル期などには、多くの人が資産を増やしたという話を聞きます。負ける人よりも、勝つ人の方が多い相場が、現実にはありそうです。

それで、そういった時期の値動きを調べてみると、バブル期という言葉に表れているように、株価が右肩上がりに推移した時期には、多くの人が儲けたようです。

なぜなら、大多数の人が相場は買いから入るものと決め付けているからなのです。私がディーラーとして勤めていた証券会社でも、先輩から、「売りなんかで儲けても、評価されないぞ」と注意を受けたことがあります。

相場が絶対に右肩上がりで上げ続けるものなのなら、多少の価格の揺らぎは堪え通すか、ナンピン買いすれば、誰でも儲けることができます。そういった相場で成功体験を持つ人は、相当の大物投資家でも、未だにそれが投資の秘訣だと考えているようです。


今回の質問も同じような発想からなされています。選択肢の「(1)まだまだ底が見えず不安定な市場。今は始めるべからず」と、「(2)いまこそ絶好のチャンス。すぐに始めるべし」というのは、大底ならば、株式や外貨を「買いたい」という気持ちを、如実に反映した質問なのです。

そういった相場観を私に求めているのでしたら、正解は(1)の「まだまだ底が見えず不安定な市場。今は始めるべからず」としてもいいでしょう。


右肩上がりの神話はすでに崩壊しています。日本株が高値を付けたのは、はや20年ほども前のことになります。そして、未だに、底値圏に近いところから抜け出ていません。

ドル円に至っては、15年前に付けた史上最安値を、再び更新するかどうかという位置にいます。買って堪える、あるいはナンピンするという投資モデルもまた、現実的には崩壊しているのです。


今年の相場でも、株式市場を例に挙げると、4月には新高値更新銘柄が目立ちましたが、5月以降はほとんどなく、新安値更新銘柄が目立っています。

私はこの7月から一般投資家向けに、日本株の銘柄を選抜して売り買いの指示(助言)をする投資メールサービスを始めました。

この6週間に、投資家が私の助言通りに30回のトレードを行った場合の実現損益が、16回の空売りから入った積み上げがプラス42.2%、14回の買いから入った積み上げがマイナス7.9%、先週末時点での評価益がプラス4.9%と、売りが圧倒どころか、買いはヘッジ目的とでも考えるしかない成績です。
(月次レポートpdf:http://dealersweb.ken-shin.net/201008.pdf


これでは、買いを考える人たちにゴーサインを出すわけにはいきません。

もっとも、上記レポートにもある買いだけに特化した投資メールでは、底値の堅そうな銘柄だけを選びますので、市場がマイナスでも、なんとかプラスを維持しています。

こういった投資メールにご興味のある方は、下のページをご覧ください。
(投資顧問契約:http://dealersweb.ken-shin.net/contract/entry.html


FXも同じですね。外貨買いに囚われている人には、なかなかゴーサインは出せません。

ドル円が上昇基調に入るためには日米金利差の拡大、具体的には、米ドル金利の上昇が必要です。そうでなければ、円高阻止のための為替介入がいるのです。協調介入だとアナウンスメント効果はありますが、実際に資金を投じる日本の政府が本気でないと、いずれ底割れします。為替操作についてはブログをご覧ください。
(為替操作:http://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-10634753761.html


「株式投資は事業に対する投資だ。じっくりと成長を見守るものだ」などと、個人投資家が一蓮托生を決め込んでも、企業の方はあなたがどこの誰かも知らないと思います。もっと、ビジネスライクに行きましょう。相場は買っても、売ってもいいのです。

この問題の正解は(3)の、「相場はいつも難しいが、それなりのやり方がある」となります。

残念ながら不正解だったあなたは・・・

実際に運用をする前に、ほかの「ニュースに関する問題」で、さらに勉強しましょう。

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プロフィール

【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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