あなたの答えは、正解 です!

今週の解答

[ニュースに関する問題]

民主党代表選が間近にせまっています。株に政治銘柄というものはあるのでしょうか?

正解は・・・
(2)政策の違いに注意せよ


菅直人、小沢一郎、両氏のうちどちらが民主党代表になるかは、日本の総理大臣を決めることでもありますから、株式市場や個々の銘柄に多少なりとも影響があると考えるのが自然です。正解は(2)の「政策の違いに注意せよ」となります。


菅氏の任期満了に伴う民主党代表選は、9月14日に投開票。菅氏と小沢氏の一騎打ちとなりました。

両氏のうちどちらがリスク要因かというと、政策が変わる可能性がある方です。菅氏はすでに首相として行政府を束ねています。一方の小沢氏の行政手腕は未知数のままです。つまり、菅氏は与党内与党、小沢氏は与党内野党で、小沢氏が代表となることは、野党政権ができるということです。

その意味では、変化を求めるなら小沢氏なのですが、そのことはリスクを伴うということで、市場のより大きな変動要因になることも意味します。

もっとも今の日本では、長い目では、変わらないことの方がより大きなリスクだともいえます。


ここで、両氏の違いを時事通信がまとめてくれていますので、要約します。
(参照記事:http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_seitou-minsyu-leader20100827j-09-w350&rel=y&g=tha


キャッチフレーズ:

菅直人;元気な日本を復活させる。「一に雇用、二に雇用、三に雇用。雇用を生み出せば、経済成長につながる」

小沢一郎;国民の生活が第一。


衆院選マニフェスト:

菅直人;できないことも理解してもらう。

小沢一郎;衆院選マニフェストを順守。


予算編成:

菅直人;進行中なので、結果を見て判断して貰いたい。

小沢一郎;政治主導の予算編成を強調。各省に一律10%削減を求めた2011年度概算要求は官僚主導で、自民党政権と同じと批判、見直しの可能性を示唆。


財源・消費税:

菅直人;財政健全化は避けられない。社会保障と一体で議論し、消費税の引き上げの必要性にも言及。

小沢一郎;地方経済は深刻。増税前に無駄を徹底的に省く。地方向け補助金を一括交付金化すれば、5兆円以上の予算が3兆円で済むとし、特別会計を含む総予算207兆円の組み替えにより財源は十分に捻出できるとする。約600兆円の国有財産のうち約200兆円を証券化して財源化するアイデアに関心。無利子非課税国債の導入。


補助金の「一括交付金化」:

菅直人;すでに国民健康保険など使い道が固定されている部分が多く、強引に進めると福祉の切り捨てにつながりかねない。

小沢一郎;国が自治体にあれこれと使い道を指定する現行の補助金システムをあらため、使い道を自治体に委ねる一括交付金の方式を主張。


社会保障:

菅直人;安心できる社会に。

小沢一郎;大きな負担は無理。年金は一元化。


普天間移設:

菅直人;日米合意は守る。沖縄の負担軽減の方向で、結論を急ぐ。

小沢一郎;沖縄県民の総意は大事。具体案なし。沖縄、米政府と知恵を絞る。


国会運営:

菅直人;与野党が合意すれば難題を越えられる。

小沢一郎;国民のための政策なら野党も賛成する。


衆院解散:

菅直人;なし。

小沢一郎;首相になれば答える。


政治とカネ:

菅直人;小沢氏の政治はカネと数。しっかりとした説明を。

小沢一郎;やましくないので逃げない。検察も認めた。


円高対策:

菅直人;必要なときには断固たる措置を取る。

小沢一郎;単独市場介入を含むあらゆる方策を果断に実施する。

これらを見ると、かっての野党であった菅氏の政権は、すでに与党として、かっての自民党政権に近い体裁となっており、「雇用あるのみ」という政策は、いずれ公共投資の復活につながるとも考えられます。衆院選マニフェストを放棄したということ自体が、旧自民党政権と痛みを共有したということでしょう。オバマ米大統領も、6日、大型の公共投資を発表しました。

民主党員が代表に菅氏を選ぶとすれば、おそらく、政権与党は変化を好まないということかと思います。そうだとすれば、自民党が敗北したのは、自民党内に有力な派閥がなくなったためで、国民は自民党菅派閥を望んでいたということになるのかもしれません。


一方の、小沢氏も「都道府県で高速道路を造らせる仕組みにしたらどうか。それを国が支援する」と公共投資に前向きですが、「野党」の立場上、国民の支持を得た衆院選マニフェスト順守を謳っています。そして、このことはどこからか新たな財源を獲得することを意味します。

小沢氏は、特別会計を含む総予算207兆円の組み替えにより捻出するとしていますが、特会を所管する各省庁の抵抗が強い上に、特会の見直しには法律改正が不可欠で、2011年度予算の政府案をまとめるメドである2010年12月末までに、法律改正を果たすことが現下のねじれ国会では、かなり難しいと見られています。国有財産の証券化も、時間的には間に合わないでしょう。

そうなると、財源は国債の増発に頼ることになります。

そこで、小沢氏は無利子非課税国債の導入を検討していることを明らかにしました。

無利子非課税国債は、利子が付かない代わりに相続税を免除するなどとしたもので、家計の資産を国債として吸い上げ、財源として有効活用するという狙いです。


小沢氏の政策は具体的で分かりやすいですね。

今の金利ならば、金利負担よりも相続税の減収の方が、長い目での歳入減になるかと思いますが、当面という意味では政府の長期ファイナンスが楽になり、相続税を逃れたい資産家にもメリットがあるという面白い案です。


ところで、日本の政治家のレベルが下がっているのは、行き詰った芸人、芸能人、引退したスポーツ関係者、本業に情熱を失った弁護士やアナウンサーなど、押し並べてピークを過ぎた人たちの集まりだからだという指摘があります。手酷い指摘ですが、納得できるのが恐いところです。

私は、政治家のレベルを引き下げた仕掛け人の一人として小沢氏を見ています。議会制民主主義は数だ。議員の数を増やせば何でもできると、志を持ち、能力に優れた若手政治家より、単に知名度のある有名人を多数、議会に送り込んだからです。

自民党ではそういった傾向が最も顕著だったのが、小泉元首相でした。

おそらく両氏は政治ゲームの達人で、ゲームのルールを最も熟知しているように見受けられます。そして勝つためには、最も効果的な方法を選択する傾向を感じます。
(参照ブログ:勝つためのレッドカード)
http://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-10582883553.html


他の選択肢も見てみましょう。

(1)の「総理がどちらになろうと関係ない」は、経済、財政政策がからむ以上、正解とはできません。

(3)の「海外の思惑を想定せよ」は、一面では正しいのですが、海外の思惑は「政策の違い」に左右されるのです。


両者につながる個々の銘柄については、あるはずですが、私にはあまり興味がないので分かりません。


今回の民主党代表選は、与野党逆転を産んだ衆院選のやり直しのように見えます。言い訳ばかりでこのままじり貧となる方を選ぶか、どっちにころぶかは分からないが、やる気を見せている方を選ぶか、ではないですか?

このことは株式市場でも、このまま徐々に世界から見捨てられる方を選ぶか、ボラティリティが高まって、リスクもリターンも大きくなる方を選ぶか、だと思います。

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油断は禁物、ほかのカテゴリの問題にも挑戦してさらにセンスを磨く努力を怠らないようにしましょう。

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プロフィール

【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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