あなたの答えは、残念ながら 不正解 です

今週の解答

[ニュースに関する問題]

株の初心者です。欧米の来年の消費動向予想は悲観的な報道が目立ちます。景気の二番底が怖いのですが、今からでも投資を初めてよいでしょうか。

正解は・・・
(3)景気が悪い時には、悪いなりのやり方がある


相場は常に上げ下げを繰り返しています。また、何かが下げている時には、何かが上げているものです。日本株の買いだけにこだわって、絶好のタイミングを捉まえようとすることの方が、むしろ難しいのです。正解は(3)の、「景気が悪い時には、悪いなりのやり方がある」となります。


ケースAとして、世の中の投資資金が一定で、運用商品の市場規模が一定だと仮定しましょう。その場合の投資物件の選択とは、限られた資金を、右から左に移すだけですので、何かが上げると、何かが下がると考えられます。例えば、株式が買われる時には、債券が売られるのです。

ケースBでは、運用先の規模が一定なのに、投資資金が増え続ける時のことを考えてみます。そのような場合には、すべてのものが買われ、値を上げると考えられます。つまり、短期的には、株式が買われる時に債券が売られているようでも、中長期的にみれば、株式も債券も上げているのです。

ケースCは、運用先の規模が一定なのに、投資資金が減少していく時を仮定します。そういった場合には、すべてのものが売られ、値を下げると考えられます。2つ目のケースとは逆に、短期的に、株式が売られる時には債券が買われているようでも、中長期的には、どちらも売られてしまいます。


もっとも、運用商品の市場規模も常に変化していますので、すべてが3つのケースに当て嵌まる訳ではありませんが、概ね、似たような動きとなります。

ここで、Bとは市場に資金が供給される金融緩和のケース、Cのケースとは市場から資金が引き上げられる金融引締めのケースです。


さて、今回の問題ですが、2010年秋の時点では、欧米の当局は金融緩和のスタンスを取っています。ここで二番底の懸念が深まると、欧米の当局が明言しているように、更に本腰を入れた緩和となります。つまり、Bのケースとなるのです。

実際、主要国の債券は史上最高値をどんどん更新しているようなレベルですが、株式もリーマンショックなどで売り込まれた後は、2009年初頭から上昇基調を保っています。商品相場も上げています。運用商品のすべてが買われている状態なのです。

ここで、更なる緩和が行われると、投資資金は更に余剰となり、不景気でも株式が買われることとなるのです。上値が二番底懸念で重くはなっても、下値は資金余剰で堅いという構図です。そして異常なレベルの資金余剰が続く限り、いつの間にか、株も債券も上げているようになるのです。


そう考えると、選択肢(1)の、「二番底になる可能性はゼロとはいえない。しばらく様子を見る」では、いつまでも買いタイミングを捉えることはできません。


また(2)の、「欧米に二番底が来ても日本にはあまり関係ない。過度に気にする必要なし」のように買い上げようとしても、景気後退の懸念で上値は重いので、売られたところを買うようにしなければなりません。日本株の場合には、円相場への懸念も重石となっています。


そこで、正解は(3)の、「景気が悪い時には、悪いなりのやり方がある」となるのです。


私は投資顧問業者ですから、資金運用のアドバイスをしています。一般の個人投資家相手への投資メールの配信を開始した今年の7月中旬から、9月28日の現時点までの推定運用成績はショート(空売り)から入って買い戻したケースが26トレードで、+45.0%、ロング(新規買い)から入って手仕舞い売りしたケースが21トレードで、−5.1%と、圧倒的にショートの成績が良いのです。

その間、市場が下げ続けていたわけではないので、この差はどこから来るのでしょうか? もしかすると、銘柄選別の時点で、両者に差が生じているのかもしれません。

ショートも、ロングも流動性には十分注意していますが、空売りという性質上、ショートの場合の方が、より流動性重視かもしれません。

一方、ロングの場合には考慮するのに、ショートの場合には全く見ないのがファンダメンタルズです。ロングの場合には財務内容の良い銘柄しか選んでいないのですが、ショートの場合は、武富士のように万一破綻しても困らないので、見る必要がないのです。


実は、ファンダメンタルズをベースにした投資で儲けるのは難しいのです。

(参照:生き残りのリスク管理)
http://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-10621187513.html
(参照:投資運用Q&A)
http://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-10563656900.html


今回の質問はファンダメンタルズに囚われた人の質問です。初心者にとって、ファンダメンタルズを理解することは簡単なことではないのですが、ファンダメンタルズに詳しいプロでも、それをベースにした投資で儲けるのは難しいのです。

逆に考えれば、初心者のあなたがするべきことが見えてきます。チャートやテクニカル分析を学ぶことです。そうすれば、今回のような質問をすることもなくなると思います。

・お知らせ

このコーナーが終了することになりました。足掛け5年間、二百数十問に及ぶご質問にお答えしてきましたが、残念ながら、今回が最後です。

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長い間、お付き合い頂き、ありがとうございました。

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【監修】矢口新(やぐち・あらた)
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1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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