09年03月04日(水)のトップニュース
HSBC増資に買い得感、香港中が注目[金融](NNA.ASIA)

英HSBCホールディングスが177億米ドルの増資を発表したことを受け、香港では富豪、市民、機関投資家がこぞって注目している。既存の株主に割り当てる株価が割安なことから、歴史的にみて優良銘柄であるHSBC株の買いに応じる向きが多い。

既存株主に割り当てる増資で、価格は先週末株価の56.95HKドル(約710円)のほぼ半額の28HKドルとする。同行の株価は昨年140HKドル水準を付けていた。

恒基兆業地産(ヘンダーソンランド)の李兆基会長は「HSBCは中核的自己資本の高い優良銀行。増資の価格はとても安い」と自身の投資会社を通じて24億HKドル以上を株購入に充てると決めた。富豪では東亜銀行(BEA)の李国宝(デビッド・リー)会長が増資に応じる考えを表明、海洋公園(オーシャンパーク)会長で、“蘭桂坊(ランカイフォン)の父”とも呼ばれる起業家アラン・ゼマン氏や医院管理局のトップも株取得を決めている。

香港市民の人気銘柄が割安に手に入ることから、街頭でもこの話題で沸騰。機関投資家でも香港中文大学や香港中華廠商聯合会が増資引き受けの検討に入る。

木下コメント

HSBCホールディングスの2008年12月期決算は、純利益が57億2,800万米ドルと前期比70.0%の減少。たしかに、苦しい展開であることに変わりはないが、多くの欧米金融機関が巨額の赤字に陥っていることから比べれば、かなりの善戦と言える。

さらに、内訳を見れば、赤字は北米が要因であり、さらに赤字要因となっていた北米消費社金融部門からは既に撤退を表明している。かなりの優等生と言えるだろう。

一方で、同社が本拠を置くアジアでは、好調な動きを見せている。例えばインド市場だ。2日発表した2008年12月期決算によると、税引き前利益は前年比26%増の6億6,600万米ドルに達した。トレジャリー業務やコマーシャル・バンキング業務が増益を支えた格好。

同行のインド事業は税引き前利益の10%を占めている。インド事業のキドワイ主任によると、銀行業務の利益ではHSBCの世界ランキングでインドが7位にランクインされるという。

これら一連の動きから考えれば、投資対象として多くの富裕層が魅力を感じることは理解できる。違いを挙げるとすれば、富裕層の思想を行動に移すことができるかどうか、という点だろう。

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