あなたの答えは、残念ながら 不正解 です

今週の解答

[その他の問題]

ある日の日経平均は500円を超える下落で取引を終え、欧州やニューヨークも大きく下げて取引が始まりました。しかし、日経平均連動のコール型eワラントの取引終了の数分前になって、ニューヨークが大きな反発を見せました。このような場合、どうするのがよいでしょう。

正解は・・・
(1)ニューヨークの反発を受け、日経平均も上昇することが予想されるので、今のうちに eワラントを買う

金融機関には自己の自由裁量で会社の資金を運用するプロプラエタリー・トレーダー(Proprietary Trader)と呼ばれる人種がいます。会社の資金を使って、自分の思い通りに相場が張れるのですから、それなりの実績のあるベテラン揃いです。私自身も勤め人としてのキャリアはブローキング、マーケットメーキングから初めて、後半はプロップ・トレーダーでした。


普段は中期的なポジションを取るプロップ・トレーダーたちが、小遣い稼ぎの短期ポジションを取りたくなるのが、大きく動いた後の戻しを取る今回の問題のようなケースです。いわゆる、長い上髭、下髭(ローソク足チャートの上下にはみ出た一本線の部分)を取りに行くのです。(1)の「ニューヨークの反発を受け、日経平均も上昇することが予想されるので、今のうちに eワラントを買う」は大きく下げた後の急反発、つまり長い下髭を狙いに行く行為に通じますので、これを正解とします。


もっとも、長い鬚とは高値安値から引けにかけて大きく戻ってくれてはじめて完成します。戻らなければ大陽線、大陰線となり、途中で逆張りすることは損失につながります。あるいは長い鬚ができても、自分が売り買いした場所がローソク足本体の部分に含まれていれば、やはり損失で終わります。つまり鬚を取るには、反転を確認できたと思えたところで入る必要があります。その意味でも、反発確認後の(1)は理屈にかなっています。


反転を確認したと思っても、所詮は思い込みに過ぎません。未来の動きを確実に予測することなどできないからです。思惑が外れたと思ったなら、それに応じた対処、リスク管理が必要です。通常、もっとも有効なリスク管理は損切りですが、eワラントの場合は損失が支払ったプレミアムに限定されていますので、このようなケースでは使いやすいでしょう。

ここで、eワラントとは何かを整理してみます。eワラントとは、ゴールドマン・サックス証券が提供する金融派生商品で、個別株式、株価指数、外国為替などを対象として発行され、インターネット証券を通じてリアルタイムに取引ができます。同社のホームページの説明もご覧ください。


eワラントとは、上記商品を将来の一定期日(満期日)に、特定の価格(権利行使価格)で買う、または売ることができる権利です。つまり、コールオプションあるいはプットオプションを買うことです。

オプションとの違いは、
ロング(権利の買い)のみであること。
対象となる商品が多いこと。
取引時間が長いこと。
少額から行えること、などです。


eワラントはボラティリティのロングですから、リスクは支払ったプレミアムだけに限定され、プレミアム分以上に相場が動いてくれれば利益を確定して儲けることができます。とはいえ逆に動くか、あまり動かなければプレミアムはどんどん価値を下げますので、むしろ損失で終わることの方が多いのです。


eワラントが機能するのは今回の問題のように、短期的に勝負がつく場合がほとんどです。


eワラントやオプションのロングはボラティリティに賭けていますので、相場の方向性が当たっていても思い通りに儲けられないことがあります。相場観に自信があれば先物を買うのがベストですが、東京の先物市場が開くのを待つわけにはいきませんから、今回のケースではeワラントが最良の選択です。


ここで、他の答えも見てみましょう。

(2)では、下髭を取るタイミングを逃し、翌日の東京は戻り終わって始まる恐れがあります。どのような取引にもリスクがあるので、様子見ばかりしていると儲けるチャンスも逃がしてしまいます。


(3)は好みの問題なので何とも言えませんが、何事も食わず嫌いでいると、せっかくの珍味やご馳走に預かれないことになります。eワラントは商品の性質としてはオプションなので、まずはオプションを学んで下さい。オプションより少額で行えるようですから、自分のスタイルに合うかどうか、税制なども調べた上で一度試してみれば如何でしょう?


デイトレーダーたちはつくったポジションをその日のうちに反対売買しますので、相場が大きく動くとその日のうちにも反発することが多いのです。例えばシグマ2を超えて動くと95.4%で、シグマ3を超えると99.7%の確率で鬚ができます。ここに収益を狙うチャンスがあるのです。
※この部分は、こちらのバックナンバーで詳細に解説しています。


もっとも、そのまま突き抜けて戻らないこともありますので、現物や先物の場合には損切りなどのリスク管理を、eワラントの場合には短期勝負に徹することをくれぐれもお忘れなく。

残念ながら不正解だったあなたは・・・

実際に運用をする前に、ほかの「その他の問題」で、さらに勉強しましょう。

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プロフィール

【監修】矢口新(やぐち・あらた)
テクニカル指標の成績表

1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。

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