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有名ファンドマネジャーがニュース番組で、「伸びない企業の社長」には共通点がある、という経験則を披露していました。曰く、「社長室の豪華さと企業の成長性は反比例する」「有名人との交際が派手な社長の企業には投資しないほうがよい」「社長が自伝本を出版したら要注意」とのこと。ここで問題です。あなたが中〜長期の株式投資で高パフォーマンスを狙う場合、投資する企業のトップに関する情報はどの程度役に立つものでしょうか。
- 公表されていない不祥事を掴んでいるなど特別の事情があるなら別だが、基本的にトップの人柄や経歴、行動様式の把握が投資判断に役立つことはない。投資をする、しないの判断は株価の値動きや業績によって決定すべきである
- トップの性格や考え方は企業の命運を大きく左右する。自分がトップと直接面会して得た「この人物は信頼できるorできない」といった感触や、トップに近い筋から入手した信頼できる情報は投資判断に大いに役立つ。ただしメディアを通して簡単に得られるような公開情報は役に立たない
- 創業者トップの企業などは、トップに関する情報が投資判断の参考になるともいえるが、財閥系企業や金融機関など組織力の強いところに関しては、あなたがつかめるトップの情報で、投資の成否が決まることなど望めない。押し並べてトップに関する情報は参考程度にしておくべきだ
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- 【監修】矢口新(やぐち・あらた)
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1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。著書『生き残りのディーリング決定版』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を得ている。現在は会社社長兼ファンド・マネージャーとして、資本金を株式市場などで運用。主著に『実践・生き残りのディーリング』『なぜ株価は値上がるのか?』など。新著『テクニカル指標の成績表』は2009年11月11日発売。
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