相場復習ノート
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韓国の魅力はダイバーシティ(多様性)?〜アジア訪問特別編(1)

以前、このコーナーで、「体感したインドの成長の勢い〜新興国投資ガイド」と題して、私のインド訪問で感じたことを、写真とともにお届けしました。


このたび、相次いで韓国、マレーシアを訪問する機会に恵まれましたので、今回と次回はその特別リポートをお送りします。今回は、その前編として、韓国の投資魅力についてお届けまします。

韓国を代表する現代自動車

韓国について、皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。焼肉にキムチ、とにかく食べ物が美味しいという印象が強いと思います。韓流ドラマを真っ先に思い浮かべる方もいるでしょう。また、人が行き交う市場も“韓国らしい”風景かもしれません。



人の行き交う市場
人の行き交う市場


一方で、韓国は国力を示す国内総生産(GDP)が90兆円という先進国としての顔も持っています。私が企業訪問のため訪れた地区は、日本の丸の内などのオフィス街と変わらない風景です。



韓国のビジネス街
韓国のビジネス街


私は今回の韓国で、同国を代表する企業である現代自動車(Hyundai Motor Company)を訪問してきました。日本では、同社製の車を見かけることも少なく、知名度は決して高くはありませんが、年間2,000億円以上の営業利益を稼ぎ出す優良企業です。


スズキ(7269)の営業利益が約1,500億円ですから、日本でいうと、トヨタ(7203)やホンダ(7267)、日産(7201)など大手自動車メーカーに準ずる規模といえるでしょう。


昔、といっても10年ほど前のことですが、現代自動車の車といえば、性能が良くないというのが一般的なイメージでした。


しかし、今では、戦略車種「GENESIS」を筆頭に、ブランド価値を高め、世界に打って出るまでの企業に成長しているのです。私は、今年4月にベトナム、タイを訪問しましたが、そこでも多くの現代製の自動車を見かけました。こうした新興国を足がかりに、海外進出を果たしているのです。



現代自動車の戦略車種「GENESIS」
現代自動車の戦略車種「GENESIS」


関連企業の現代モービスや現代製鉄など、現代グループも取材してきましたが、これから現代自動車グループとして世界中で収益を稼ぎ出していく姿を想像できるものでした。

日本にも勝るダイバーシティ(多様性)

また、韓国の企業を訪問して感じたのは、日本以上に女性が活躍している、という点です。



現代自動車IR担当のパークさん
現代自動車IR担当のパークさん


写真の女性は、現代自動車IR担当のパークさんです。海外MBAを保有し、米国に20年以上住んでいた帰国子女です。


最近、「ダイバーシティマネジメント」という言葉をよく耳にします。ダイバーシティとは、「多様性」のことで、ダイバーシティマネジメントとは性別や人種、国籍、宗教、経歴などの違いにとらわれず、公平な価値観で企業経営に取り組むことをいいます。


企業がグローバルに活躍する上で、多様性は1つのキーワードです。国も文化も違う海外で活躍するためには、多様性を受容できなければいけません。


私は、海外展開という点では日本企業は韓国企業に出遅れていると感じることがあります。その背景には、女性が十分活躍できる環境をはじめとした、日韓両国の多様性への受容加減の違いがあるのかもしれません。

韓国に投資するには?

私は、現代自動車をはじめとする韓国企業を訪問し、その世界で戦おうとするグローバル志向は、投資対象としても十分に魅力的だと感じました。では、魅力的であるとして、韓国株に投資するにはどうすればよいのでしょうか。


韓国の個別銘柄に投資するのであれば、まずは口座を開設する必要があります。アイザワ証券をはじめ、韓国株への投資が可能な証券会社がありますので、そうしたアクセスが簡単なインフラを利用しましょう。


また、日本企業に比べ情報が少ない、分析がしづらいと二の足を踏んでしまうのであれば、ETFがよいでしょう。例えば、楽天証券では、「iシェアーズ MSCI 韓国インデックス・ファンド」というETFがあります。投資単位も小さく、6万円程度からの投資が可能です。


韓国といえば、隣国であり、一番身近な国であることは違いないでしょう。しかし、こと投資、という点では、BRICs をはじめとした新興市場に隠れ、それほど注目は集めていないように思います。


今回の私の韓国訪問のリポートが、皆さんもそれぞれが韓国を投資対象として見直すきっかけになれば、と思います。

今日のポイント

ちなみに、このリポート、実は現在訪問中のマレーシアからお届けしています。次回は、アジア訪問特別編PART2としてマレーシア編をお届けしたいと思います。ご期待ください!(木下)

 

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プロフィール

木下晃伸(きのしたてるのぶ)

経済アナリスト、フィスコ客員アナリスト。1976年愛知県生まれ。南山大学法学部卒業後、中央三井信託銀行、三菱UFJ投信などを経て、現在は株式会社きのしたてるのぶ事務所代表取締役。(社)日本証券アナリスト協会検定会員。著書『日経新聞の裏を読め』(角川SSコミュニケーションズ)発売中。

投資脳のつくり方

マネー誌「マネージャパン」ウェブコンテンツ。ファンドマネジャー、アナリストとして1,000社以上の上場企業訪問を経験した木下晃伸が株式投資のヒントを日々のニュースからお伝えします。「株式新聞」連載をはじめ雑誌掲載多数。

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