投資のチャンスを確実にモノにするには、世界にアンテナを張り巡らし、お金の流れを機敏に察知する必要があります。元外交官の経験を活かし、一見違う視点で、世界の政治とお金の関係を、リアルタイムで説明します。
新興株をコツコツ買い集めているファンドの正体
スイス人は日本の小型株を狙っている
5月15日付スイス紙『フィナンツ・ウント・ヴィヅトシャフト』に「小型株には可能性が一杯」という興味深いインタビュー記事が掲載された。インタビューに答えているのは、スイスの名だたるファンドの日本株担当マネージャー。「およそ日本人は読んではいるまい」と思ったのか、彼ら自身が実際に買っている個別銘柄にまで踏み込んだ発言をしている。
さらに興味深いのは、このファンド・マネージャー氏が次のように述べているところである。「出遅れている日本株にはこれから伸びる余地が大きい。このことは、誰しもが目を向ける1部上場の大型株ではなく、2部上場や新興株といった小型株について、より言えることだ。実際、我々は将来性のある小型株を買い集めている」。
これに対し、同じ時期の日本における大手メディアの報道はといえば、「日本の新興市場はもう終わりだ。会計面での不信が払拭できない以上、株価の上昇は難しい」と連呼していた。実際、新興株をめぐる指標は、ゴールデンウィークを超えると一気に下がり始めたように見えている。スイス人は「小型株こそ買い」、そして日本人は「小型株は危ない」という。どちらの情報を私たち=日本の個人投資家は信ずるべきなのか?
銘柄選定の決め手となる第3の方法とは?
メールマガジン『元外交官・原田武夫の「世界の潮目」を知る』でも日々詳細に分析しているとおり、私であれば絶対に前者スイス人の情報を取る。その理由は簡単だ。実際に買っている外国人が直接、自らの手口を述べているからだ。しかも媒体は大方の日本人が絶対に読むことのないスイスのドイツ語新聞。「こんなところで手口を語っているとは、お釈迦様でもご存じあるまい」と考えたのか、熱心に「日本株マーケットの良さ」を語るファンド・マネジャー氏は具体的な銘柄選定にまで突っ込んで語っているのである。
これはある意味、極端な事例なのかもしれない。しかし、金融ビッグバン以後、日本の株式マーケットをしばしば圧倒してきたのが外国勢だ。しかも何かと目立つ米国系とは異なり、密やかに買いを進めがちな欧州系の越境する投資主体の動きを公開メディアで追うことにより、とりもなおさず日本株マーケットに対する「答え」が出ることはままある。つまり、世界に目を向け、しかも英米以外からの情報にも関心を持つことが、遠いようで、実は最も近道だったりもするのだ。
一般に銘柄選定といえば、「財務諸表分析」や「チャート分析」を行う人は多い。しかし、考えていただきたい。「買う側」の論理をつかみ、彼らの動きを先読みすることこそ、ただでさえ情報力に乏しい個人投資家にとっては最善の方法なのだ。それは、数字やグラフを追うことでは決して知ることはできない。むしろ、マーケットとそれを取り巻く国内外の情勢について、公開メディアを丹念に日々追うことだけでも、相当な内容をつかみ取ることができるものなのだ。
大盛況だった福岡セミナー
原田武夫国際戦略情報研究所公式メールマガジンでも告知しているとおり、私はそうした「真実」を伝えるために、今年は日本各地を地方行脚することにしている。去る20日に開催した福岡セミナーは、満員御礼。これに続いて7月7日に札幌、同20日には名古屋で基礎中の基礎を学ぶ無料学習セミナーを開催する予定だ。また、 私の「情報源」である各界のプロの方々を招いての限定セミナーや、メールマガジン「世界の潮目」の読者の方々を主な対象とした集中セミナーも開催予定である。
金融資本主義の中で生き残るには、財布を握り締めるのではなく、広い世界に目を見開くしかない。それは困難を伴うことかもしれないが、その先には必ず「儲けという報い」があるのである。
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- 筆者プロフィール
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- 名前:原田武夫(はらだ たけお)
- 1971年生まれ。1993年東京大学法学部を中退し、外務省入省。
- 経済局国際機関第2課、ドイツでの在外研修、在ドイツ日本国大使館、大臣官房総務課などを経て、 アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)を務める。2005年3月末をもって自主退職。現在、原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。
- ⇒原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)公式ウェブサイト
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